20歳台の時は、将来にかかるお金はイメージできないと思います。人生の3大支出と言われている住宅ローン、子供の教育資金、老後資金がありますが、結婚もしていない独身ですと、お金を貯める気持ちにはならないと思います。
私自身、若い時は上記三大支出の事は気にしなかったですし、存在自体考えた事が無かったと思います。それでも会社に入った時から貯蓄と投資を始めたのは、単純に「失業した時の資金を確保したい。」という考えがあった為です。
会社に入った当時は超就職氷河期でしたので、やっと入った会社でもいつかは失業するかもしれないという恐れがありました。途中から失業した時の備えというより、『仕事がきつく、資産を築いてアーリーリタイアしたい。』とう考えに変りましたが、それでも老後資金を貯めるといった思考は無かったと思います。
平均年収は横ばいか少し減少している状況では、今の若い方は、バブル時代の様な景気が良い時代は知らないでしょう。よって、将来に必要なお金はイメージしても、「何となく不安だから…。」という事でお金を貯めている人が多いのかもしれません。
今回は三大支出の内、子供にかかるお金について、会社の人と話をした内容を紹介します。
子供が大学生…驚くべき学費と仕送りの金額
先日、定年された方と子供にかかる教育費について話す機会がありました。この方には、お子さんが二人いますが、今は既に独立して、家にはおらず、奥様と二人暮らしをしているそうです。
子供にかかるお金のやりくりですが、子供が大学生になった時が最も大変だったようです。お子さん二人とも大学は実家から通わず、一人暮らしをしていたので、学費と仕送りで貯金がみるみるうちに無くなったとか。
ちなみに大学生一人当たりにかかる凡その費用としては、
・学費 年間120万円
・仕送り 年間120万円(毎月10万円×12ヵ月)
とのことで、年間240万円かかっていたそうです。よって、4年間大学に通いますので、子供一人当たり1,000万円(240万円×4年=960万円)かかる事になります。
これ以外に入学金や教材費なども必要になってきますので、一人当たり1,200万円はかかっているのではないか、と言われていました。この方の場合、お子さんが二人いたので2,500~3,000万円かかっている事になります。
それでも一人当たりの仕送りが月10万円というのは、まだ少なかったそうです。月10万円とはいっても、家賃や生活費で殆ど消えてしまいます。子供には、『家賃や生活費以外の費用は、自分でアルバイトして稼ぎなさい』と言っていたそうです。
給与所得者の平均年収が400万円ですので、子供の教育費に1,000万円も出せる家庭は多くないと思います。よって奨学金を利用したり、アルバイトを掛け持ちしながら大学に通う学生が多いと思います。実際、私の同期でも40歳を過ぎてようやく奨学金の返済が終わった、という人もいました。
今は、コロナ禍で飲食店のアルバイト自体が減っているので、アルバイトで生計を立てていた学生さんたちにとっては、死活問題になっていると思います。また奨学金とは言っても、将来返済が必要になりますので、子供にとっては大きな負担になると思います。
子供の独立とリタイアのタイミング
我家は子供が1人しかいませんので、大学にかかるお金は多くても1,200万円くらいで済むでしょう。ただし、理系に進んで大学院まで進学するのであれば、1,500万円はみておいたほうが良さそうです。
今は資産をある程度築く事が出来ましたので、1,500万円を捻出するのは難しくないと思います。それでも、子供が大学生の時は、現金が毎年数百万円ずつ減少していく事になります。
資産を減らさず、子供の教育資金を確保するのであれば、働き続けるしかないでしょう。一方で、子供は私が37歳の時に生まれたので、大学卒業時の22-23歳の時に丁度私が60歳定年を迎えます。
子供が大学を卒業する時にリタイアする方法もあると思いますが、60歳でのリタイアは、もはや ”アーリーリタイア” ではないですね…。また60歳を過ぎてからリタイアするのでは、50歳の時と比べて体も思うように動きませんので、好きな事が出来なくなっているかもしれません。
子供の大学進学を考えずにリタイアするか、又は子供の独立に合わせてリタイアするかなど、子供の成長とリタイアのタイミングは、FIREを目指す人にとって1つの課題なのかもしれません。