投資のリスクを下げるために、色々な金融商品へ分散投資するのは一般的な考えと思います。分散投資を勧める投資の格言として、「卵を1つのかごに入れるな。」という言葉があります。同じ種類の金融商品に集中投資すると、価格が暴落した時の影響が大きいので、投資家としてリスク回避するのは当然のことと思います。
一方で「金持ち父さん」シリーズの著者であるロバートキヨサキ氏は本の中で、『分散投資は投資が良く分っていないシロウトがやるもの』と言っています。投資の神様であるウォーレンバフェット氏は、割安株を見つけて資金を集中投入するスタイルであり、コカ・コーラなど優良企業の株式を安価な時に大量買いした事は有名な話です。
分散投資を出来るまでには時間がかかる
では、我々一般投資家も同じように集中投資をした方が良いのかというと、私はそのようには思えません。私自身の経験では、若い時(投資を始めて間もない時)は、集中投資を行い、資産が増えるに従って、分散投資をすればよいのではないか、と感じています。
投資を始めて間もない時は、資金も少ないので購入できる金融商品も限られてきます。少ない資金で更に分散投資をすると、投資効率が悪くなると思います。更に資金が少ない中で手数料ばかりかかると投資効率が悪くなります。
少ない資金で様々な金融商品を購入すると、その度に手数料が取られてしまいます。それよりは、自分で厳選した投資先に集中した方が、投資効率は良いと思います。
「厳選した投資先」を探すのは難しいかもしれませんが、ウォーレンバフェット氏が言うような、「一生持ち続ける事が出来る投資先」を探して、投資する事をお勧めします。
私自身、金融資産が1,000万円を超えるまで日本の優良株に一点集中して投資をしてきました。途中何度か失敗しましたが、結果として資産を増やす事が出来ています。
最初は集中投資をしていましたが、「分散投資」を意識する様になったのは、資産が2,000万円を超えた位になってからです。最初は株式以外の投資先として、外貨預金や債券の購入を始め、その少しずつ種類を増やしています。
ただし日本の優良株とは言っても、個別株はどのようなリスクがあるか分かりません。いきなり大地震が起こるかもしれませんし、コロナウィルスの様な事も当然想定できないでしょう。
今は、手数料が安い金融商品があるので、個別株を購入するより、市場全体を購入できるETFの購入した方が良いと思います。どの国、どの金融商品(株式、債券、不動産など)に連動するETFを購入するかは、個人の投資スタイルで選べばよいと思います。
理想のポートフォリオになるまで15年
私の場合、投資を始める1年前までは投資資金を貯めるために預貯金をしていました。投資資金を貯める間に、証券口座の開設や投資の勉強をしていました。ちなみに今まで購入してきた金融商品の順序は以下の通りです。
①日本株
②外貨預金
③国内債券
④外国株式
⑤外国債券
⑥不動産ETF
⑦商品(原油、貴金属)
投資資金が貯まった後、まずは日本株に投資し、その後外貨預金など始め、その後少しずつ投資先の種類を増やしています。最初は、日本株への集中投資をしていましたが、リーマンショックを機に株式投資だけではリスクが高いと気付いて、債券も購入するようになりました。
「分散投資は、シロウトがやるもの」と言いますが、分散投資をするという事は、色々な金融商品を購入する事になりますので、その都度購入する金融商品の勉強する必要があります。私自身、⑦の原油や貴金属投資まで行きつくのに、15年はかかりました。
投資先によって、リスクとリターン、手数料(経費率)も違いますし、購入できる商品も違います。ウォーレンバフェットの様な伝説的な投資家と比較はできませんが、上手く分散投資をして、市場が暴落しても資産が大きく減らないポートフォリオを形成している人は、既に「投資のシロウト」ではないような気がします。