税金は、社会のインフラ整備や市役所、警察、消防などの公共サービスの提供、社会保障費の確保をする為の必要な財源になります。海外でもそうですが、日本は税収に比べて支出が多く、毎年赤字国債を発行して、国の借金は膨れ上がっています。
国の借金の貸し手は国民である事や日本は対外資産があるから大丈夫だとかいう話をよく聞きますが、借金が増え続けているのは余り気持ちの良い状況とは思えません。国は借金増加や社会保障費の財源確保を理由にして、税金を上げようとしている事が見て取れます。
税金はコストという意識
日本国民は税金に対する考え方が希薄なようで、知らない内に様々な形で税金を支払っています。特にサラリーマンは、源泉徴収という形で毎月の給料から予め税金を差し引かれているので、税金を支払っているという意識が低いと思います。
以下のグラフは、「国税庁」のホームページから引用した令和3年度の国税・地方税の内訳です。大きなシェアを占めているのは、「所得税、法人税、消費税、固定資産税」の4つでしょう。細かい項目としては、「揮発税(所謂ガソリン税)、酒税、相続・贈与税、都市計画税」などがあります。
海外(特にアメリカ)では、「税金はコスト」という意識が強く、上手く節税して支払う税金を少なくすることが賢いやり方という意識がある様です。有名な話で、アメリカ大統領の選挙でクリントン氏が対抗馬のトランプに対し、
クリントン: トランプ氏は税金を全く支払っていない。
と税金の支払い逃れをしているかのように指摘した所、トランプ氏は
トランプ:(税金を支払っていないのは)私が賢いからだ。
と堂々宣言したそうです。日本ならば、直ぐにマスコミなどから『税金未払い』と真っ先にに叩かれそうですが、「税金はコストである」と認識されているアメリカでは当然の考え方なのかもしれません。
税金の支払いは全てに優先される
私もサラリーマンですが、簿記を勉強してから以前より自分の給料明細の内容をより詳しく見るようになりました。中でも、社会保険料も含めた毎月の税金の支払いには、驚かされます。諸々を含めると、給料の1/3は税金で持っていかれています。
累進課税の日本では、サラリーマンが頑張って給料が増えても税金もそれ以上の割合で増えていきますので、正直頑張って給料を上げようという気持ちが失せてしまいます。若い時より給料は増えていますが、果たして支払う税金に対する対価(行政サービス)を受けているのか、疑問に感じる所です。
日本政府は、よく『国民の為』という言葉を使いますが、税金の徴収は厳しく、国は最優先で支払いを求めます。最も分かり易いのは「固定資産税」であり、住宅などは固定資産税を支払わないと、最終的に物件が差し押さえてしまいます。
固定資産税を支払って、支払いができないと物件が差し押さえられるという事は、住宅を購入しても家や土地の本当の持ち主は国であり、個人は国から借りているという気になります。また主要な税収である消費税、所得税、住民税、固定資産税以外にも、揮発税や酒税などあらゆるところから税金が取られています。
サラリーマンは、税金を取られているという意識は薄いと思いますが、「医療費控除」や「ふるさと納税」の様な税控除を受けられる制度を少しでも利用して、税金を取り戻すべきと思います。