この数年海外では、FIRE (Financial Independence Retierment) という生き方が増えているそうです。元々は欧米で始まったそうですが、若い時に出来る限り多くのお金を稼ぎ、固定費を下げた生活を送って、20~30歳の若年層でリタイアするそうです。
最近では日本でも財閥系の会社に勤めていた人が若くしてFIERを達成したことが話題に上がっていました。この方は、給料が一般の平均年収の倍(800万円以上)もあるにも関わらず、年間200~300万円で生活していたそうです。
余剰のお金は全て投資に回し、7,000万円の金融資産を築いてリタイアを達成したそうです。7,000万円あれば、税引き後の利回りで3%の配当があれば、年間200万円の不労所得が得られますので、固定費を抑えた生活が変わらなければ一生暮らしていけるのでしょう。
普通のサラリーマンにFIREは可能なのか
では世間一般のサラリーマンが20歳代でFIREを達成できるかと言うと、かなり難しいと私は感じます。そもそも20~30歳で年収800万円もある事は、かなりハードルが高いでしょう。
最近では高い初任給を提示する会社も増えており、年功序列制度も崩れているので若くして高収入を得る人もいるかもしれませんが、まだまだ少数と思います。
もちろん歩合制や外資系の会社であれば、20歳台でも1,000万を超える年収を得ることが出来ると思います。この場合短期集中で大金を稼ぎ、資産を築くことが出来ますので、FIREに向いているのかもしれません。
普通のサラリーマンがFIREを達成できるのは、早くても40歳台、50歳台でしょうか。若い時から生活コストを抑えて、年間100万円、もしくは200万円貯めたとすると…
年間100万円 × 20年間 = 2,000万円
年間200万円 × 20年間 = 4,000万円
の貯蓄が出来ます。これを税引後利回り3%で投資に回すと、2,000万円が2,687万円、4,000万円が5,374万円にもなります。
5,000万円超というと、純金融資産 5,000万円~1億円の「準富裕層」の仲間入りとなります。また5,000万円の資産をそのまま利回り3%で持ち続けると、年間150万円の不労所得が得られます。月に換算すると12万5千円ですので、住宅コストなどの固定費以外の生活費は賄えるのではないでしょうか。
年間200万円貯蓄する事はかなり努力が必要ですが、妻帯者であれば、生活コストを抑えつつ、2馬力で働けば達成可能な数字と思います。
住居にかかるコストをどう抑えるか
生活コストを決める上で、最もお金がかかるのは住居にかかるコストと思います。20~30歳の若い時に数千万円もの長期の住宅ローンを組むと、FIER達成は難しいでしょう。
ずっと賃貸に住み続けるのは、支払った家賃を溝に捨てるようなものだと感じる人もいると思います。また家賃をケチると、部屋が狭かったり、建物や設備が古かったりと快適さは得られません。
都会で比較的新しい家族向けアパートに住むと、家賃が10万以上かかかるのが普通でしょう(スイマセン、東京の家賃には詳しくなくて)。また通勤時間を短くするために会社の近くに住むのも1つですが、大体家賃は高くなります。
住宅コストを抑えて快適な住宅環境を得る事は難しでしょう。FIERを達成するには、何かを我慢しなければならないと思います。
私の場合、学生時代も含めて様々な賃貸に住んできました。過去には(自殺があったらしい)事故物件にも住みましたが、何れも格安物件でした。
若い時に住んでいた住居は、建物や設備の古さには気にしていませんでした。ちなみに結婚当初に妻と住んでいた社宅は、築50年以上、お風呂は水を貯めて沸かす追い炊き式で風が強い日に火が消えるというもので、更にトイレは汲み取り式でした。
社宅の賃貸料は、当然格安なのですが、設備のボロさを嫌って、入居しない人も多く空き部屋が多かったです。ちなみに隙間風も酷く、風が強い日の翌朝起きてみると、家の中に枯れ葉が落ちていた事も…。
一度良い所に住むと、次に住むところのランクを下げるのは難しいです。若い時は、ある程度の広さであれば、住宅の古さやボロさはある程度我慢しても良いと私は考えています。もちろん、一緒に住む妻の意見が大切ですが…。