先週、収入が少なくても幸せに暮らす若者について書かれたコラムを読みました。その若者の年齢は紹介されていませんでしたが、仕事を始めて数年との事でしたので、恐らく20台後半位と思います。ちなみに若者の年収は300万円で、地方に住んでいる様でした。
その若者は、『自分の年収は300万円だが、現状に満足しており、無理に年収を上げるつもりはない』と言っていました。またサラリーマンの平均年収が400万円であることに対し、年収400万円というのはもはや高給取りであるとコメントされていました。
年収は少なくても家賃が低ければ大丈夫
年収300万円というと、手取り年収は約240万円になるようです。ちなみに400万、500万・・・と年収毎の手取り金額を調べてみました。以下の様な結果になりました(これは夫婦二人で子供が居ないケースであり、家族構成等で多少違いはあると思います)。
年収(総支給)と手取り金額の差を見ると結構税金(所得税、住民税、社会保険料)が取られているな…と感じます。私自身、若い時は給料明細で手取り金額しか見ていませんでしたので、改めて税金の大きさに気が付かされます。
手取り年収240万円ですと、月割にすると月収20万円になります。ただしこれは賞与も含んだ金額になりますので、賞与を年間3ヵ月(冬と夏でそれぞれ1.5ヶ月分)と考えると、月収は14万円になります。
手取り月収が20万円と考えると、「結構あるな。」と感じますが、月収14万円と聞くと「地方で20歳台ならばこの位かな」、という気がします。ただし、東京ならばこの位の給料ですと、かなり生活は厳しいのではないでしょうか。
地方であれば、探せば結構安くて質の良い安いアパートがあり、私が住む人口十数万人の街でも、1人暮らしのアパートが家賃2.5万円であります。家賃2.5万円とはいっても、きちんとお風呂もついていますし、床もフローリングで比較的新しい物件です。
恐らく東京23区内であれば家賃が10万円はすると思いますが、地方に行けば家賃はかなり低く抑える事が出来ます。家賃は給料の3割以下に抑えた方が良いという事ですが、家賃が2.5万円ならば月収14万円でも2割に抑える事が出来ます。
ちなみに私の住む街では、2LDKや3LDKの家族用のアパートでも5万円もだせばそれなりの所に住むことが出来ます。東京ならば20万円以上はかかるのでしょうが…。
ネット、スマホでお金を使わなくなった
地方に住む若者が年収300万円でも十分暮らしていけると感じているのは、昔よりお金を掛けずに楽しめる選択肢が増えた事によると思います。またその大きな要因は、『ネットとスマホ』でしょう。
昔は映画を見ようと考えた場合、レンタルビデオ店でビデオを1つ借りたら400円も取られていました。今はYou Tubeの様な無料で楽しめる動画もありますし、月に数百円~1,000円も支払えば、好きなだけ動画を見れるサービスがあります。またKindleがあればいくらでも本を読むことができます。
そう考えるとネットというのは、お金がない人にとって非常に有難い存在と思います。一方でネットを見る事がメインの娯楽になってしまい、昔は別の娯楽を楽しんでいた若者たちが全て「スマホ」に流れる事で廃れてしまう業界もあるようです。
よく「若者の○○離れ」と言われますが、若者も収入が少ないので、お金がかかる趣味を持つのは難しいと考えるでしょう。
一方で経済評論家の方は、少ない収入で楽しめる事が増えるのは良いのだが、このままいくと日本経済が縮小していくのではないか、というような事を危惧されていました。
ただ、お金を掛けなくても楽しく暮らせる世の中…というと、アーリーリタイアを考えている人にとっては生活しやすい状況になっているのでしょうね。