日本の金融資産調査で、金融資産を持たない、いわゆる「預貯金ゼロの世帯は約30%いるそうです。また日本人の家計貯蓄率も1994年に10%あったそうですが、今では0%辺りをうろうろしています。
Graph. 金融資産を持っていない世帯の割合
貯蓄率の低下は、高齢者が増えたことが主要因ですが、バブル後と比較して派遣社員の様な非正規雇用の人が増えているのも大きな要因の1つと思います。
預貯金ゼロの家庭は生活に余裕が無く、失業すると家賃の支払いもできずに路頭に迷う可能性があります。給料が少なく、既に切り詰めた生活をしている人にとっては、お金を貯めるのは難しいかもしれません。
その場合は、副業や転職で収入を増やすしかなさそうですが、運よく増やした収入を無駄遣いしてしまうと、折角の努力も水の泡です。
今回は、収入が増えても生活水準を上げずに、資産を貯めていく思考の持ち方について紹介したいと思います。お金が自然に貯まる人は、収入が増えても生活スタイル(水準)を変えずに、呼吸するように節約しています。
自分の価値観を持つ
世の中には流行を起こして、消費を刺激する仕組みがあふれています。テレビCMやネットの広告は、典型的な例と思います。経済は、需要と供給で回っていますので、消費が落ち込むと景気が悪化するので、消費を刺激する仕組みは必要と思います。
消費をしない人ばかりが増えると景気が悪くなるので、世の中にとっては良くないでしょうが、得た収入の全てを支出に回していては、個人にとってはリスクが高くなります。
「世の中では今はこれが流行っている」、「周りが皆持っている」という理由で、その度に消費していたら、お金は貯まりません。
多くの人が良いと思っている商品は、確かに素晴らしい物が多いのでしょうが、その人個人にとって必要な物ではないかもしれません。自分の価値観や必要性を考えて、それが本当に欲しい物なのか、使いたい物なのかを考える必要があります。
私の場合、流行は殆ど気にならず、「安いから買う」という事も基本的にしません。何時も「必要だから買う」、「必要ないから買わない」と判断します。よって、本当に必要な物であれば、少々高くても購入します。
「安い」、「流行っている」で判断するのではなく、「(本当に)必要か、必要でないか」で判断します。ただし必要性については、私の場合かなり長い時間(長い時は半年位)かけて判断します。
もし悩んでいる間にその商品が無くなったとしても、縁が無かったと考えて、諦めます。
投資を始めて配当収入を得る
これは私が投資を始めて感じた事です。私の投資スタイルは、資産の値上りを狙うキャピタルゲインではなく、安定的な配当収入を得るインカムゲインをメインとしています。
投資をし始めて、初めて株式の配当収入を得た時に、「利子はもらうもの。支払うものではない。」という意識が芽生えました。
通常、車や住宅を購入する時は、ローンを利用するかと思います。ローンを使えば、買えなかった商品を直ぐに手に入れる事が出来ます。
一方ローンには必ず金利が付きます。車や住宅ローンは低金利で、金利として支払うお金は少ないでしょうが、余分な支払いをしている事は間違いないです(最近は、住宅ローン減税が支払い利率より高いようですが…)。
多くの方は「金利」と聞くと住宅ローンとイメージしますし、普通は「金利は支払うもの」と感じるでしょう。
しかし、投資をして少額でも株式や債券の配当金を得ると、「金利はもらうもの」という意識が生まれます。金利はいわば余分の支払いであり、「支払いをする側」と「支払いを受ける側」で考え方が変わってきます。
銀行は低い利率で普通預金や定期預金からお金を集めて、金利を上乗せしてお金を貸しています。銀行にとって、安定的な給料収入があるサラリーマンの住宅ローンは、貸し倒れのリスクが低く、収益も安定的に得られます。
現実的に考えて、サラリーマンが住宅ローンを使わずに家を購入する事は不可能かもしれません。ただ、金利を支払って、その金利が他の誰かが受け取って得をしていると考えると、一刻も早くローンを返して、投資で金利を受け取る側に回りたいと思うのではないでしょうか。
このような考え方は、私だけかもしれませんが…。