5年位前までは、FIRE (Financial Independence Retire Early) という言葉は、まだ一般的ではなかったと思います。
いつの頃からか新しい生き方として欧米で紹介され、今では日本でも広く知られるようになり、40歳台など働き盛りの人でもFIREを目指す人が増えました。
最近では、完全に仕事を辞めるのではなく、金融資産から得られる不労所得を補うために無理なく働く「サイドFIRE」という生き方も良く耳にするようになりました。
私個人の感覚としては、FIREとサイドFIREというのは、「リタイア」か「セミリタイア」の様な感じがしますが、 "経済的自立を得る" という意味では私が目指しているのもFIREなのかもしれません。
最近FIREの本を読みました
最近、図書館でFIREの本を借りて読む機会が有りました。FIREに関する本としては、結構メジャーなものの様で、何度か書店で並んでいるのを見かけた事があります。
作者は、中国からカナダへ一家で亡命した中国人(恐らく現在はカナダ国籍を取得しているのでしょう)の女性で、31歳でFIREを達成したそうです。
幼少の時に父親の仕事の都合で母親と3人でカナダへ移住する事になったそうで、最初はかなり貧しい生活を送っていたそうです。
ちなみに中国での一家の生活費は、わずか数十セントであり、満足な食事もとれず、餓死寸前になった事もあるそうです。それがカナダ移住をきっかけに、少しずつ生活を向上させていきました。
最終的にはカナダに永住する事になったようですが、彼女は大学の専攻を選ぶ際、将来つける職業の収入が授業料の支払いに対してリターンが大きいものを慎重に選んでいいました。
通常、「○○が好きだから。」とか「○○に興味があるから。」と言う理由で大学や専攻を選ぶのでしょうが、彼女の場合、幼少から経験した極貧生活から抜け出すために、「如何にお金を得るか」に着目して自分の将来を考えていました。
欠乏マインドとは
本の中で「欠乏マインド」という言葉が印象に残っています。お金に対する脅迫観念みたいなもので、収入が増えたとしても、支出をなるべく抑えるという意識が働くように感じと思います。
彼女(作者)は、要望通りの仕事に就いて収入を得たとしても、「いつ首になるかもしれない。」という強迫観念を持ち、朝から晩まで働いて、更に上司には「どんどん仕事を下さい。」と言っていたそうです。
『仕事(収入)を失うかもしれない』、『昔の貧乏生活に戻るかもしれない。』といった強迫観念が猛烈な働き方になり、更にまるでお金を使うことが悪の様な生活(支出を抑える)によって、若くしてFIREを達成できたのでしょう。
この「欠乏マインド」については、私も思い当たる点があります。私が就職活動をした2000年頃は、正に就職氷河期であり、100社近くの会社に応募を出しても中々内定がもらえませんでした。
運よく今の会社に拾ってもらったのですが、暫く不景気でしたので「何時会社をクビになるか分からない。」、「会社が倒産するかもしれない。」と思って仕事をしていた記憶が有ります。
20年以上も前の事ですので、当然働き方改革というのは、全く無くほぼすべての時間外労働(月120時間以上)がサービス残業、サービス出勤でした。
また支出に関しても本の作者と同様に、収入の7割以上を貯蓄に回し、ある程度お金が貯まったら、株式など投資をしていました。
当時休日に同期と話をしても、「このまま今の様な無茶な働き方をしても、恐らく(体が)定年まで持たないだろうな…。」と言っていたのを記憶しています。
私自身、会社からの解雇や倒産、過労による入院や失業もあると考えて、給料以外の収入を得る事が必要だと考えていました。
20年も前はFIREという言葉自体は無かったのですが、既にその当時から「アーリーリタイア」を意識した行動を取っていたのでしょうね…。