家計の管理の仕方は各家庭によって異なると思いますが、住宅購入を決断し、いざローン組もうとしたときに、頭金位の貯蓄は確保している家庭がほとんどではないか、と私は考えていました。
ただ今回、私が考えていたケースとは異なる家庭事情の方がいらっしゃいましたので、紹介させて頂きます。
40歳、フルローンで家を買う
先日仕事の合間に給湯室でお茶を飲んでいた所、昔の同僚に会いました。約10年前に一緒に仕事をしたことがある方であり、今ではラインの管理職として何人かの部下を持っています。
私の5年後輩にあたり、昔から人当りの良い方で、以前一緒に仕事をしていた時の話の流れで、その後輩が最近家を購入し、私と同様に徒歩通勤している話になりました。
後輩:年を取ったせいか、痩せにくくなりましたねぇ。
私 :そうだね。私の場合、4年前から徒歩通勤を始めた事で少しマシになったよ。
後輩:あーそうなんですが、実は私も最近徒歩通勤を始めたんですよ。
私 :へーそれはそうなんだ。っていう事は、引っ越ししたの?
後輩:ええ、今年に入って家を買ったんですよ。会社が近くなって、徒歩通勤
できるようになりました。
私 :おー、ついに家を買ったのか。はやりローンだよね。ところで今年で幾つ
(歳)になるの?
後輩:ええ、フルローンですよ。今年40歳になりますが、65歳まで何とか返済して
いきます。
私: あーそれは大変だね。ただ今は低金利だし、住宅ローン控除も使えるから
良いよね。
後輩:いやー実は、築30年のマンションをフルリノベーションして2,000万円で
買ったのですが、築年数が長いと住宅ローン控除は受けられないみたいです。
低金利が唯一の救いですけどね。
住宅ローン控除を使えないのは残念でしょうが、現在の低金利であれば、40歳でも65歳のシニア満了までには、返済できるのでしょう。また彼は管理職ですし、私と余り変わらない位の給料をもらっていると思いますので、返済は大丈夫と思います。
貯蓄ゼロの家庭は結構いるのか?
今回、同僚の話を聞いて驚いたのは、「頭金無」でローンを組んだことです。今は低金利なので、住宅ローン控除があれば、貯蓄を確保しつつ、ローンの返済で毎年控除を受けるという選択肢もあるのかもしれません。
しかし彼の場合、住宅ローン控除を受けられないので、単純に「貯蓄ゼロ」である可能性が高いと思います(流石に「貯蓄はあるの?」 とは詳しく尋ねる事はしませんでしたが…)。
ちなみに以下のグラフは、大和総研がまとめた「貯蓄ゼロの世帯推移」です。2016年までの数字ですので、少し古いデータですが、貯蓄ゼロの世帯が増えており、現在は3割の方が貯蓄ゼロの世帯です。
ただこの数字も高齢者増による、貯蓄が無い世帯が増えていると思いますので、現役世帯の貯蓄ゼロ世帯が同じ様に増加しているかは分かりません。ただ別の情報によると、子供が居る家庭での貯蓄ゼロの世帯は、15%いるそうです。
15%というと、6~7世帯に1世帯は貯蓄ゼロの家庭なので、結構多いのかもしれません。今回フルローンで住宅を購入した彼も、「貯蓄ゼロ」が稀なケースではなく、よくある家庭なのかもしれません。
私の場合、アーリーリタイアを目指して若い時から貯蓄と投資を続けた結果、資産も1億円を超えたのですが、今の状態が「当たり前」という感覚になっています。よって、2,000万円の住宅に対してローン(しかもフルローン)を組む感覚が分かりません。
同僚の話を聞きながらも、「2,000万円だったら、そのままキャッシュで購入できるな…。」と思いながらも、「やはり家を購入する時は住宅ローンが必要だね。しかも控除も受けられるし。」と話を合わせます。偶に似たような話を聞いた時、「2,000万円でローン?」と言ってしまいそうで、恐ろしい時がありますが…。