住宅購入は、人生最大の買い物であり、一生に一度しかない大きなイベントと思います。次に大きな買い物と言えば車でしょうが、車が200~300万円とすると、住宅はその10倍以上の価格になります。
日用品、食料などの購入で失敗しても、次から購入しなくても良いのでしょうが、住宅の場合は数千万円の買い物になりますので、失敗するとすごく後悔すると思います(最終的には、失敗していないと思い込む他無いと思いますが…)。
住宅ローンの繰上げ返済と団信(団体信用生命保険)
先日、久しぶりにある知人に会いました。知人は、昨年住宅(一戸建て)を購入したばかりであり、現在35才で、奥さんと子供が1人いらっしゃいます。もうすぐ2人目の子供が生まれるらしく、正に幸せを絵にかいたような家庭を築いています。色々雑談をした中で、現在返済中の住宅ローンについて話を伺いました。
私 :今年で何歳になったの?
知人:35才です。住宅ローンの支払いがあと34年残っていますよー。
私 :69才まで返済か…それは大変だね。子育ても大変だけど、奥さんが仕事復帰
されたら、繰上げ返済するのだろうね。
知人:それがそうでもないみたいですよー。私の知人のシニア(64才)で働いて
いる人から聞いたのですが、お金はあるのに繰上げ返済しないみたい何ですよ。
私 :へーなんでかな?
知人:その方は退職金で一括返済もできた様ですが、いつ死ぬか分からないのと、
退職後の生活費確保の為、繰り上げ返済は止めたそうです。
私 :あーいわゆる団信(団体信用生命保険)を考えたのね。
知人:そうなんですよ。繰上げ返済が一概に特ではないとの事ですが、
寿命とローンを比較すると、どちらが得なんでしょうね。
フラット35にある様に、35年の住宅ローンを組むのは、一般的な事なのでしょう。ただ私の認識では、35年間もずっと払い続けるのではなく、出来る限り前倒ししてローンを返済するのが普通と考えていました。
確かに住宅ローンを前倒し返済して、退職金で完済した直後に死亡したら、「何だったのだろう…。」と思うかもしれません。もし配偶者が残されていれば、本来残す事が出来た老後の生活資金(退職金)を確保できたはずです。
寿命が先に来るのか、ローンの支払いが終わるのか、どちらが先に来るのか分かりませんが、団信の事を考えて、60歳以降もローンを返済しない、というのも1つの手段なのかもしれません。
住宅業界の営業によると
先日、「住宅ローンに関する不都合な真実」について、住宅メーカーの方が書いた本を読みました。本の題名は忘れたのですが、住宅メーカーの営業担当として、長年働いていた人が書いた本です。その本では、「営業担当者から見た住宅業界と住宅ローンを組む人達」の事が書かれていました。
・住宅業界の営業は激務(土日を含めて殆ど休みが無い)
・住宅業界に努める営業担当は、「お金」が目的。
・給料は、出来高制であり、売れば売るほど給料が上がる。
・基本的には、「家を売る」のが目的であり、売った後の事は考えていない。
・売る前は営業が顧客を追いかけて、売った後は顧客が営業を追いかける構図。
住宅業界の営業の方は、高い給料を求めて激務に耐え忍んでおり、顧客の為に仕事をしている人はいないと書かれていました(本当か…)。
また本では、ローンを組んで家を買う人々の事も書かれており、「財布(お金)を持たずに買い物をするのは、住宅だけであり、買い物の視点で考えると、異常な状態ですよ。」とも言っていました。元も子もない言い方ですが、この著者によると「35年間の住宅ローンを組むのは、正気の沙汰ではない。」との事。
あと、「なるほど。」と思ったのが、家を購入する時、ローンを完済した時がゴールなのに、「住宅ローンの審査が通過した時」をゴールに思っている人が多いという事です。ただ、お金を借りられるだけなのに、審査が通過したら大喜びし、営業担当者も「おめでとうございます!!」というのは、異常な状態なのだそうです。
この本の中では、「頭金は出来るだけ多く、なるべく前倒し返済する」という事を推奨していました。団信に期待(寿命が先?)でも良いですが、20年、30年先の未来は見えないことなので。