法改正で65歳までの雇用延長が義務になりましたが、60歳で定年を決めている会社が殆どと思います。昔は60歳になれば、「定年=退職」であった為、定年になれば長年勤めていた会社から去る事を意味していました。
今は殆どの社員が65歳まで働く事を選択します。結局、60歳に定年になっても年金支給は基本的に65歳からなので、それまでの生活費を賄う為にも定年後も働くのが当たり前になっています。
よって60歳で定年を迎えても職場では、65歳まで働く事を前提として、「定年祝」という形でお祝をします。昔は定年を迎えた方をお祝いする為に、部署を上げて飲み会が開催されたものですが、今のご時世では実施されることはありません。
少し前の定年祝いとは
コロナ前の話ですが、私の会社では新年会は無いのですが、忘年会は殆どの部署で開催されていました。部長クラスになりますと、幾つかの部署から忘年会のお誘いがあります。私も事務所と幾つかの現場からお誘いがあり、年末は毎週飲み会があったと記憶しています。
また忘年会シーズンは、お店の確保が難しいので、最低でも1ヵ月前には予約をしていたと思います。12月にお店の予約が出来ないと、仕方なく11月末に少し早い忘年会をする事もありました。
定年の祝賀会(飲み会)は、忘年会シーズンとはバッティングする事が無いので、お店の予約は問題ないのですが、何時もより少しグレードの高いお店を確保する必要があります。
また定年される方、呼ばれる方によってお店のグレード、規模も考える必要があり、場合によってはホテルのパーティー会場を借りて行う場合もありました。結果会費も高くなり、一般社員でも定年時の祝賀会は10,000円が相場となっていました。
更にその部署の部署長として出席すると、他の方より多く支出する必要があり、結婚式と同様に出費の多いイベントだったと思います。定年者、結婚式、忘年会と合わせて20万円以上の出費があった年も…。
最近の定年祝い
コロナ禍もあり、飲み会がほぼなくなりました。私自身お酒は好きですが、外飲みより自宅でのんびり飲む方が好きなので、飲み会が無くなってうれしい気持ちの方が強いです。元々飲み会があった時でも自分から部下や同僚を飲みに誘った事はなく、逆に誘われて断る理由を考えるのを苦労していました。
コロナ禍で「定年祝」という祝賀会が無くなったのですが、その代わりに記念品や花束の贈呈を会社でするようになりました。定年される方からお世話になった人を中心に何人かの有志の方がお金を出し合い、記念品やお花を購入します。
飲み会ではないので、会社の事務所や会議室で簡単なイベント(記念品及び花束贈呈式、本人のスピーチ)をやって、終わりという感じです。時間にして10分程度と非常に短く、すっきりしたものです。
これが飲み会であれば、会費だけでも高いのに、『定年』という特別感もあって、何時もは行かない二次会や三次会にも行くことになります。私の場合、通常の飲み会では絶対一次会で帰るのですが、流石に定年の飲み会であれば、断るのが難しくなります。
昔と比べてギャップがすごいのですが、祝う方も出費が少なく、また半ば強制的に行かなければならない飲み会も無くなったので、非常に良い事と思います。
お店としては、飲み会が激減した事で経営が苦しいのかもしれませんが、これからは更にお酒によるコミュニケーション(いわゆる”飲みにケーション”)は減ると考えられます。
今では会社の帰りに飲みに行く習慣が無くなり、更に働き方改革で自宅に帰る時間が早くなったため、家族とコミュニケーションを取る時間が増えて、幸福度が上がったと思います。