米国を中心として株式市場は好調を維持しています。株式市場が好調なのは、順調に景気回復している証拠なのでしょうが、『順調=ボラティリティーが低い』という事であり、中々良い投資の機会が得られていません。
資産に占める外国株、外貨預金は約5割を占めており、配当所得も6~7割は外国株によるものです。よって配当所得で得られる収入は、ドル建てなので、引出して使う時に為替差損益が出ます。
為替リスクを考えると、日本株の比率を増やせばよいのでしょうが、日本は人口減少で、将来経済が縮小していくのは間違いないので、投資しにくいと考えています。
ただ、日本の企業とはいえ、売上や従業員が海外をメインとしているのであれば、将来も世界経済の拡大に合わせて成長する可能性もある為、海外へのシフト化が進んでいる企業の株は購入しても良いかもしれません。
日本の高配当株式ETF
円の配当収入を安定的に得られる方法として、日本の株式ETFがあります。まずは「高配当」を考えて日本の高配当ETFについて、何時も使っているSBI証券で調べてみました。結果、野村や大和証券など幾つかの証券会社が取り扱っている事が分かりました。気になる利回りと信託報酬手数料ですが、
利回り : 2~5%
手数料 : 0.2~0.5%
となっていました。利回りはまずまず、と言った所でしょうが、手数料が高いのが気になります。アメリカの高配当ETFの代表格である、「HDV, VYM, SPYD」の手数料は何れも0.1%を下回っているので、どうしても割高と感じてしまいます。
ただ自分で高配当銘柄を探して、ポートフォリオを組む必要がないので、手間賃と考えるとこの位は仕方が無いのかもしれません。恐らく銘柄組み換えもやってくれると思いますし、ある程度価格下落を許容でき、個別銘柄を選定する余裕が無い人にとっては良いのかもしれません。
日本の高配株式のETFを全てスクリーニングした訳ではありませんが、米国ETFと比較して何れも歴史が短い様に見受けられます。恐らく取扱資産高が増えてくれば、手数料も下がるのではないかと考えています。
個別株の分析を始めようか
手間はかかりますが、高配当銘柄の個別株を購入し、自らポートフォリオを作成する事も出来ます。ただしこの場合、単純に高配当の銘柄だけを集めるのではなく、各企業の分析が必要となります。
各企業の有価証券報告書から財務諸表を読み込み、その企業だけでなく置かれている業界の将来性を含めた企業分析が必要になります。かなり手間がかかる作業ですが、投資を行う場合に本来必要な作業と言えます。
高配当銘柄は、配当性向が高く、株価が割安という事になります。割安である理由も、ただ単に市場が気付かないのか、また将来性が乏しい企業と判断されている場合もあります。
株式取引には沢山のプロが参加しており、またITを駆使した取引もある事から、「不当に割安な株」を探すのは、ほぼ不可能と思っていますが、実際はどうなのでしょうか。それよりもウォーレン・バフェット氏が言うように、『良い企業をそこそこの価格で買う。』というスタンスを考えた方が良いのかもしれません。
現在株式市場は上昇傾向で多くの株が高値で推移していますが、今は投資の為の資金確保(現金を少し厚めにする)をしながら企業分析を行い、暴落時に投資したい企業の選定を行っていこうと思います。