前回に引き続き私が不動産投資を躊躇する理由について、書いてみようと思います。数年前に父が他界し、その時誰も住んでいなかった昔の一戸建て中古住宅を相続した事がきっかけです。
1.中古住宅の相続
転勤族だった父の影響で何度も引っ越ししており、相続した住宅には両親は10年ほどしか住んでいません。私も学生時代に1年ほどしか住んでおらず、この住宅や街にもほとんど知識や思い入れはありませんでした。
10年ほどしか住んでいなかった事と中古で購入したのにも関わらず、購入時に数百万円かけてきちんとリフォームしていた為、相続時でも結構程度は良かったと思います。
この中古住宅の相続時評価額は、2,100万円ありました。その時にはいつかは不動産投資をしたい思いがあったので、この住宅を賃貸に出そうかなと軽い気持ちで考えていました。
ただ父の他界に伴う後始末と仕事の忙しさから結局相続してから2年間は、何も手を入れず、放置したままになっていました。
その後賃貸に関して少しは調べたのですが、以下の理由で結局賃貸には出すことはしませんでした。
①住宅が昔のニュータウンにあり、人口減少で周辺に空き家が多く、
賃貸需要が少ない。
②私が住んでいる街から遠方にあり、住宅や街への知識が無く管理が困難。
③当時仕事が大変忙しく、私に管理する時間と余裕がない。
2.中古住宅の最終的な処置
そのまま2年間何もせずに放置していたのですが、年に1回来る10万円もの固定資産税の支払い催促を見て、「このままだとまずいな…」と思い、1人暮らしになっていた母親に相談しました。
その時母親から、「空き家をそのまま放置している今の状況で、近所の人は快く思っていない(苦情を言われた)ようだ」と言われました。
近所の人も空き家増加で周辺の治安悪化の原因になり、街の資産価値が落ちることを危惧しているのでしょう。
その時とても自分で管理できる状況ではないと考えて、仕方なく上物(住宅)だけを150万円かけて取り壊しました。
更地になったら治安も関係ないだろうと考えていましたが、翌年届いた固定資産税の支払い金額を見て、「これはシャレにならない」と思い、売却することにしました。
わざわざ週末の休みに新幹線で移動して親戚から紹介された不動産に相談した所、早く売却したいのが見え見えだったのでしょうか…。
やれ高台で崩落の危険性がある、とか 昔のニュータウンで需要が少ない とか色々言われて、結局200万円で売却しました。
相続時の土地評価額が1,500万円でした。住宅取り壊し費が150万円かかったので、相続したお金は殆どゼロに近かった事になります。
この失敗は、自分の勉強不足がまいた種だったと思います。不動産投資は、立地や街の条件で大きく影響するものであり、十分な下調べが必要で生半可な気持ちではやるべきではないなと思える貴重な経験でした。