ヨーロッパやアメリカではインフレや経済回復状況を見ながら、財政支出を抑え、金利引き上げに前向きに取り組もうとしています。一方で日本銀行は、金融緩和を抑える気がなく、未だにジャブジャブと紙幣を供給し続けています。
このまま日本が金融緩和を続けると、円の価値が低下し、円安に向かうような気がするのは私だけでしょうか。円安になった場合、国内で生産した製品を輸出する場合は良いのでしょうが、原油を始めとして原材料や食料を輸入する場合はコストが上がり、商品価格の上昇を招いてしまいます。
円安により、輸入品が高くになり、それが物価に跳ね返るとすれば、日銀が目指すインフレ率は達成できるのかもしれません。ただその場合、物価は上がるのに、景気は回復しないスタグフレーションになるかもしれません。
既にインフレは進んでいる?
日々の生活の中で、物価の上昇を感じる事が多くなりました。例えば小麦製品は、顕著な値上がりが見られており、近所のドラッグストアで購入していた焼きそばの麺が約2年前は1玉18円だったのが、今では27円にアップしています。
たった9円の値上がりに思われるかもしれませんが、元の値段から考えると50%も値上がりしている事が分かります。また先日行った釣りの船賃も数年前まで2,000円だったのが、今では2,700円にも値上がりしていました。
もちろん、値上がりしていない製品もあるのでしょうが、価格は据え置きでも内容量が減っている様な、「ステレス値上げ」が良く見られます。
ちなみに国民の生活意識に関するアンケート調査を『日本銀行の情報サービス局』がしているそうで、現在の物価に対するアンケート結果も出ています。このアンケートは3ヵ月毎に取っており、前回、前々回から物価が上がっていると回答している人が増えています。
今では物価が上がっているという認識は、6割以上の人が感じている様で、インフレが進んでいると思われます。
今の所、貴金属取引が精神の安定剤
インフレの場合、持っている資産が全て現金であれば、お金の価値が下がる事により、目に見えなくても資産は減っていく事になります。一方で、株式や不動産などのインフレに強い資産を持っていれば、インフレによって価格も上昇するので、ある程度リスク回避になると思います。
ただ景気回復が不十分で企業業績も振るわなければ、株式も上昇しませんし、不動産も全て上昇する訳ではなく、完全にリスク回避する事は難しいと思います。可能性は低いと思いますが、『円安、株安、不動産安(よくあるのは債券安のトリプル安ですが)』となると、どこに資産を振り分ければ良いのか、分からなくなります。
以前であれば、「ハイパーインフレ」や「スタグフレーション」に対する恐れがあったのですが、貴金属取引を開始してから、気持ちが落ち着くようになりました。以前は、インカムゲインが得られない商品(貴金属、原油等)取引には消極的でしたが、いざ始めてみると精神的な安定剤になっていることが分かりました。
もちろん貴金属でもリスクはある為、完全なリスク回避にはならないと思いますが、気持ちが楽になった事を考えると、投資先の選択肢の1つとして組み入れたのは正解だったと思うようにしています。