アーリーリタイアを目指す人は、「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者である、ロバート・キヨサキ氏を知っている(又は聞いたことがある)人が多いのではないでしょうか。私も過去にキヨサキ氏の著書を幾つか読んだことがありますが、「持ち家は資産ではなく、負債だ。」という言葉は、結構衝撃でした。
夢のマイホームを購入し、長年ローン返済をしている人にとっては聞きたくない話かもしれませんが、「キャッシュフローがマイナスになる」という視点から考えると、確かに持ち家は資産ではなく、負債に該当するのでしょう。
貯金をする人は負ける
最近、ロバート・キヨサキ氏の新しい著書「金持ち父さんの こうして金持ちはもっと金持ちになる」という本を読む機会がありました。キヨサキ氏によると、この本は彼の著書の集大成となる本であり、「金持ち父さん、貧乏父さん」が入門書とすると、この本は大学院の本になるそうです。
中身を読むと確かに今までキヨサキ氏が言っていた事を詳しく書かれている本であり、読み応えがある内容となっていました。湾岸戦争が起こった経緯や、リーマンショックの事やその後の金融緩和の詳細が書かれており、知らなかったことが多かったです。
この本でキヨサキ氏が強調していると感じたのは、「貯金をする人は負ける。」という事でした。今も続いている大規模な金融緩和で、紙幣の価値がなくなり、貯蓄だけしている人の資産は実質目減りしているという事でした。
ドルがその価値を何とか保っているのは、原油取引にドルを使うように定められている影響であり、その効力が無くなれば、ドルは一気に価値を失うという事でした。
確かに市場を維持する目的だけで世界各国の中央銀行が "金融緩和" というお札の大量印刷を行っており、それによって各国の債務も増加しています。
金や原油に裏打ちされた貨幣であれば、その価値は保たれるのでしょうが、何の価値も持たない紙を印刷しただけの紙幣で景気を維持しようとする行動は異常な行動かもしれません。
このまま紙幣を印刷し続けると、第1次世界大戦後のドイツ(パンを買いに行くのにリヤカー一杯の紙幣を持っていく)のようなハイパーインフレになるかもしれません。
どうやって防衛するか
私が知らないだけかもしれませんが、ジャーナリストには現在の世界各国の金融緩和に対する警鐘を鳴らす人は余り見られません。危険性を言われなくとも、自分の資産は自分で防衛するしかありません。
インフレを想定するとなると、現金や債券はダメで、株式や不動産、商品(貴金属、原油)の比率を増やした方が良いと考えられます。
ちなみに私の資産に占める金融商品割合は、凡そ以下の様な比率になっています。
現金 35%
債券 20%
上記以外 45%
現金は、日本円以外に外貨(ドル、ユーロ)がありますが、殆ど日本円で所持しています。債券も8割が日本の社債ですので、日本の資産に偏っていると考えられます。
よって、日本でハイパーインフレが来た場合、私の資産の半分は日本円や日本の社債なので、大きな損失を被る可能性があります。その時は、株や商品の価値が上がるのでしょうが、アーリーリタイアが遠のくかもしれません。
ハイパーインフレで最も強いのは、「借金」なのかもしれませんが、借金をしてまで投資をしようと思いませんし、借金をしてできる投資は不動産しかないでしょう。不動産については、過去に苦い経験をした事があるので投資するのに躊躇しますが、何時かは検討が必要な時期が来るかもしれません。