アーリーリタイアを目指す人にとって、固定費を抑える事が大きなポイントの1つと思います。
人によっては大金を稼げる業種に就いて、ガンガン働いて早めにリタイア、というケースもあると思います。
大金を稼げる業種というと、昔はプロスポーツ選手や芸能人を想定していましたが、今は外資系の金融機関やスキルの高い若手に対して高い報酬を支払う会社が考えられます。
私の経験談になりますが、サラリーマンで給与をもらいながら、生活費を抑えつつ、時間をかけて資産を増やしてリタイアを達成するケースを紹介したいと思います。
私の場合、今は社宅を出て賃貸マンションに移り住んでいますが、独身時代は寮に4.5年、結婚してから社宅に9.5年住んでいました。合計14年間家にかかる固定費を低減する事ができ、現在の資産形成につながったと思います。
寮と社宅のコストパフォーマンス
人生の最大のコストである住宅費ですが、いつも議論される「持ち家と借家どちらが得か?」 は永遠のテーマと言えます。
私は永住予定の無い街に住んでおり、この先も家を購入する予定は無く、「借家」しか選択肢がありません。
借家の中でも「寮、社宅」のコストパフォーマンスは、別格と思います。ただし全ての人が利用できるものではなく、提供できる会社でしか享受できない制度です。
私の会社でも寮と社宅制度があり、月の家賃は、寮で1万円、社宅で1万5千円となっています。同じ間取りでアパートを借りると、5万円~10万円はかかる為、かなり安いと言えます。
一般的に寮や社宅は年齢や役職制限があるようですが、例として入社後5年間寮で、社宅に5年間住んだ場合は、凡そ10年間で750万円の削減が出来ます。
1.寮のコスト削減
寮家賃 : 1万円/月
アパート家賃 : 5万円/月
居住期間 : 5年
コスト削減 : (5万円-1万円)×12ヵ月×5年 = 240万円 - ①
2.社宅のコスト削減
社宅家賃 : 1.5万円円/月
アパート家賃 : 10万円/月
居住期間 : 5年
コスト削減 : (10万円-1.5万円)×12ヵ月×5年 = 510万円 - ②
①+② = 750万円
この余ったお金を資産運用すれば、うまくいけば1,000万円の資産を築くことが出来ます。 また私の会社で良くあるパターンが結婚後数年間社宅でお金を貯めて、頭金がそろったら家を購入する方がいらっしゃいます。
お金を貯める事を考えるのであれば、年齢や役職による制限ギリギリまで使った方が良い制度と思います。
寮と社宅のメリット、デメリット
私が実際に住んで見て感じた寮や社宅のメリットとデメリットについて、紹介したいと思います。
ただ一見メリットにある内容も、人によってはデメリットになる可能性があります。特に配偶者の方で社宅が合わない人はいると思います。
1.メリット
①家賃が安い
②住人が会社の人なので安心感がある
③同世代の子供がいる事が多く、一緒に遊ばせることが出来る
2.デメリット
①建物、設備が古い
②家に帰っても会社の感じが抜けない
③休みの日に草抜きや清掃活動がある
社宅を嫌がる人は、やはり建物や設備が古かったり、家に帰ってもゆっくり休むことが出来ないという意見が多かったと思います。
逆に幼稚園から小学生がいる家庭では、周りに同世代の子供がいるので、一緒に遊ばせることがで、子育て世代には悪くない環境と思います。また住人が知り合い(全員会社の人)なので、安心感はあると思います。
昔は社宅内に派閥があったようですが、今では皆さん程よい感じの距離を保ちつつ、上手くコミュニケーションを取っており、問題に感じた事は無かったです。
福利厚生費は、会社も社員もお得?
世間では、「借家の借り上げ制度」というものがあります。会社が賃貸アパートやマンションを契約し、安価な家賃で従業員が借りられる制度です。
また借家の家賃を補助する「家賃補助制度」もある会社は多いと思います。特に外資系の会社では、従業員の給与を直接上げるのではなく、家賃補助などの福利厚生費で従業員の補助を行う会社が多いと聞いたことがあります。
もし従業員の給与をそのまま上げてしまうと、給料に所得税などの税金がかかってしまします。しかし福利厚生費ならば、従業員はもらう給料は変わらない為、税金は高くなりません。
会社からすると従業員へ支払う給料も福利厚生費も同じ「経費」であり、企業の税金は「収益ー費用=利益」に税金がかかる為、コストは変わりません。
寮や社宅というのは、会社から与えられた福利厚生費であるとともに、サラリーマンが活用できる数少ない経費控除かもしれません。