住宅に関する長年の論争でとして、「持家と賃貸は、どちらが特か?」という議題があります。何時も結論は出ないのですが、家を購入した人は「持家が特。」と言いますし、賃貸住まいをして住宅を購入する予定が無い人は、「賃貸の方が特。」と言うでしょう。
結局、自分の置かれている状況を正当化したいのが人間の本質であり、「自分の選択が間違っている。」という事を認めたくないのでしょう。ちなみに我家の場合、現在住宅は購入していませんし、将来も購入する予定は有りません。
家を購入しない理由
「持家は損」とは思えませんが、家を購入したケースを考えた際、子供にとって住む予定もない家を相続しても困るだけではないか、と考えてしまいます。
もちろん、子供が将来何らかの理由で仕事に就けない、お金を自分で稼ぐ事が出来ずに、親と同居が必要というケースになれば、もしかしたら子供の将来を考えて、生涯住む家を購入するかもしれません。
そうならない為にも、子供が一人で生きていける様に、なるべく教育費にはお金は惜しまないようにしたいと考えています。教育に関しては、ある意味将来への投資を考えらえますが、子供が自立できるのであれば、十分かけても良いと考えています。
また私と妻が年を取って自分の事も満足にできなくなった時、最終的に老人ホームなどに入居する事を考えると、結局その時自宅の処分が必要になります。
子供が同居(例えば二世帯住宅)していれば、住宅を購入してそのまま子供にお任せしても良いのですが、独立して別居しているのであれば、現金や換金性の高い債券、株式などを残した方が子供にとっては使い勝手が良いでしょう。
またこれから先、子供がどの大学に進学して、どの会社で働くのか分かりません。今でも転職は当たり前の時代ですので、子供が大人になったら日本ではなく、海外で働いているかもしれません。そんな中、親が突然死んで住む可能性の無い家を相続したとしても困るだけでしょう。
地元で生まれて、その街から死ぬまで動かず、地元の友人達と過ごすのであれば、購入しても良いのでしょうが、親(私と妻)自体が今住んでいる街から将来出る事を考えると、子供も今の街にずっと住み続ける選択肢は無いと思います。
家を持たないリスク
賃貸で済み続けるリスクとしては、「老人は家を借りにくい」というのを良く聞きます。特に独居老人ですと、孤独死した場合長い間誰も気が付かず、死亡があった家は事故物件となってしまう為、大家さんは老人へ貸したくないようです。
賃貸派の考えとしては、「将来人口減少も進むし、家が余っているのは明らか。今更老人に貸したくないと言うのは、あり得ないだろう。」という意見が聞かれます。確かに人口減少や家余りは間違いないのですが、大家さんにとって、老人は貸したくない気持ちがあるのは間違いないと思います。
あと我家のケースでは、家を借りる時に年齢以外でもう1つリスクがあります。それはリタイアを機に移住を考えているのですが、リタイアによって「無職」となってしまう事です。
金融資産があるので、家賃の支払いは全く問題ないと思いますが、大家さんにとっては給料収入がないと、「家賃の支払いが滞るのでは?」という気持ちになるでしょう。これが安定的な給料収入があるサラリーマンであれば、簡単に貸してくれるのでしょう。
流石に金融資産残高を大家さんに見せる訳には行きませんので、この問題をどうやってクリアすべきか…と思案している所です。ただ最近では、高齢者向けの賃貸物件もある様で、この先より借りやすくなるのでは?と楽観的に考えています。