投資を20年近くしていると、過去に何度か大きな失敗をしています。成功した投資もあるのですが、大損した時は数百万円単位の資産を失っています。
投資を行う際、人は利益より損失に対する記憶が強く残るのでしょうか、「損切り」が難しいのは本当なのでしょう。
過去の投資の中で、「日本航空」と「東京電力」の株式を購入した時の失敗とそれから学んだことを自己の反省も含めて、紹介したいと思います。
「日本航空」は、日本国内でも有数の有名企業と思います。国内の航空会社は、格安航空会社が幾つかありますが、全日空と合わせて二大巨大航空会社です。
かなり時間が経ったので知らない人もいるかもしれませんが、日本航空は少し前に一度倒産しています。倒産後に京セラの稲森さんが経営の立て直しを行ったのは、結構有名な話と思います。
元々Buy & Hold の長期保有が私の投資スタイルです。日本航空も倒産しなければ、ずっと所有するつもりでした。
購入した当初はまだ安定した配当があり、また株主優待には日本航空の飛行機のチケットが50%値引きされる優待券がありました。その優待券も金券ショップで売却することで、年利3%位のインカムゲインを得ていました。
大企業で、航空業界の一翼を担っており、日本の国賓が利用する航空機でもある為、ある意味国有企業に近い会社と考え、「まあ、業績が悪くても倒産することはないだろう」という軽い気持ちで投資していました。
そんな中で経営が危ないと噂され。みるみるうちに株価が下落し、結局は倒産してしまいました。最後の上場廃止になる前に株式を売却しても良かったのですが…。
折角再建して黒字化した日本航空ですが、コロナの影響により、再び逆風になっています。投資では大損しましたが、上手く乗り切って欲しいと今では思っています。
私が東京電力の株式を購入したのは、例の事故が起きる遥か前です。よって、今の状況など当然予測しておらず、絶対倒産する恐れがない企業と考えて投資しました。
東京電力の株価は現在300円位をうろうろしていますが、私が購入した当時は3,000円以上はありました。はるか昔のバブルの頃は8,000円を超えており、タイミングを狙って1株2,950円で購入した時は、かなり割安で購入できたと思ったものです。
また配当金も大体2%前後はあり、電力株(しかも東京!)でなくてはならないインフラを供給する企業であるため、完全にBuy & Hold する気でいました。この先東京の人口は増え続ける為、電力需要は安定するであろうという考えも持って投資したのですが…。
そのような中で起こった東日本大震災による事故です。さすがにこれだけの事故が起き、会社がの経営が傾いたのは、想定外でした。日本航空と同じように、みるみるうちに株価下落し、現在に至っています。
これは自分自身の反省ですが、大きな下落に対して、思考停止に陥り、損切りできなかったのが、今でも悔やまれるところです。今まで小さい損失に対しては、冷静に判断して損切りできましたが、日本航空と東京電力については損切りできませんでした。
結局、東京電力については300万円以上の含み損を抱えたまま、今も株式を所持しています。恐らく購入した値段まで価格は戻ることはないでしょう。
失敗から学んだこと
これら2つの失敗では、以下の事を学びました。
・財務体質の悪い会社は、どんな大企業でも倒産リスクがある。
・株主優待を期待して、投資先を決めない。
・投資には、「想定外」はつきもの。
この失敗で投資方針を直ぐに変えたわけではありませんが、その後も失敗と成功を繰り返しながら徐々に投資スタイルを変えています。失敗後の投資については、以下のような変化がありました。
・日本株だけでなく、海外投資にも目を向ける。
・株式投資は個別株ではなく、インデックス投資をベースにする。
・株だけでなく、債券や商品にも投資をする。
分散投資は、「無知な人が行う」と言われる方もいますが、本業が忙しくて投資の時間を割くことが出来ない人は、分散投資も有効な投資スタイルと考えています。
また今年のコロナによる経済打撃とその後の株価急上昇は、正に「想定外」の出来事で、投資のタイミングを計るのが難しくなっています。
「想定外」が頻繁に起こる投資の世界で、個人投資家が勝ち続けるのは難しいでしょう。せめて「負けない、資産を減らさない」投資を目指した方が良いと私自身は考えています。