先日、部下と出張に行きました。出張とは言っても電車で2時間位なので、近場の日帰り出張になります。
会社にいる時間は長いのですが、各個人と話す時間は短く、雑談してもせいぜい30分程度と思います。また話す内容も仕事に関する事ばかりなので、プライベートを殆ど知らない部下も居ます。
出張では往復で4時間も一緒に居ましたので、部下の家族構成や休日の過ごし方など色々話を聞くことができました。
最近では○○ハラスメントとか言われるため、部下に対してプライベートの事は、中々聴きづらいですし、私も積極的には触れないようにしていました。
一通り部下の事を聞いていたのですが、その中で「○○さん(私の事)って、仕事好きですよねー。」と突然言われて非常に驚きました。

会社では余り感情を出さないように仕事をしてきたのですが、どうやら生き生きと仕事しているように部下は見えたみたいです。
正直、仕事は嫌いで少しでも早く引退したいと長年我慢してきたのですが、何時でも退職できる状態になり、気持ちが楽になったせいか「楽しそうに仕事をしている。」と映ったのかもしれません。
特に今年は早期退職制度の適用年齢になった為、何だか肩の荷が下りたような気持になっています。リタイアが現実的なものになりましたが、自分の中で変わってきた気持ちの変化を考えてみました。
人の目、意見が気にならなくなった
元々日本人は他人の目を気にする方が多く、「こんなことを言ったらどう思われるだろう…。」と考えすぎるケースがあると思います。
一方で「何時でも辞めていい。」という意識があると、人に媚びたり、意見に同調したりする必要はなくなります。
結果、仕事に対して自分の意見をキチンと主張できるようになり、プラスの効果が出ていると言えます。職位も上がった影響と思いますが、最近では役員に対しても自分の意見を出せるようになりました。
役員からはどう思われているかは分かりませんが、私の意見を「反発している」と捉えて、飛ばされても良いと考えています。そう考えると、ストレスは減ったと言えます。
人と上手くやろうと思うようになった
これは上の考えと少し相反するかもしれませんが、リタイア後の生活を考え始めた事で生まれた意識の変化です。
人間、会社から出ると「ただの一個人」になります。その場合、社長や役員、部長や課長という枠組みはなく、個人としての人間性が問われます。
実際、会社以外での人づきあいは、妻の方が私より格段上手いですし、知らない人とでも妻は上手くコミュニケーションを取ろうとします。
今の会社を辞めて地域社会と関わっていくには「人と上手くやるスキル」は必須でし、別の会社に再就職する場合にも必要でしょう。
スキルを増やしたいと思うようになった
「人と上手くやるスキル」もそうですが、今の会社を辞めて、他の会社で再就職した場合、一からスタートになります。
もちろん、この年齢での再就職ですので、スキルを活かして就職先を探すことになると思うのですが、限られたスキルしかないと、かなり大変と思います。
会社、特に大手企業の場合、仕事が細分化され、個々人のスキルは専門性が高くなっています。結果、その部署から外れたら使えるスキルが無い、という人も居ます。
私の会社でも「なるべく自分の(狭い範囲)仕事しかしたくない」という人が沢山おり、再就職はおろか部署異動もきついだろうな…と感じます。
50歳を過ぎて正社員として再就職するのは難しい(というか不可能)と思いますが、アルバイトやパートでもそれなりにスキルは求められますので、今になって「新しい仕事がれば、何でも取り組もう。」という気になっています。
アーリーリタイアする気になっているのに、色々と新しい仕事に取り組んでいる姿を見て、部下は 「ああ、この人は仕事が好きなんだろうな…。」と思ったのかもしれませんね。