アーリーリタイアを目指して資産を増やしていますが、どの位の資産を築けば安心できるのでしょうか?この疑問に対しては、恐らく「一生安心できない」というのが答えなのかもしれません。
目標とする資産額は、リタイア後の生活費によって異なりますし、「安心できる資産額」となると、たとえ100億円持っていたとしても、安心はできないのかもしれません。
例えば貯金がゼロの人にとって、老後資金2,000万円確保できている人が居れば、それだけで安心できるように感じると思います。逆に1億、2億と資産を増やしても、「ハイパーインフレになって紙幣が紙くずになったら…」と考えると、安心できなくなります。
またもっと資産があって、現金だけでなく株式や商品、不動産に分散投資した場合はどうでしょうか。様々な事に対してリスク回避できているのであれば、資産がゼロになる可能性が低いと思うのですが、最後に「隕石が落ちてきたら…」と考えると、結局資産を築くのがばからしくなってくるのかもしれません。
分散投資で資産の大幅減少は無くなった
今はサラリーマンをしているので給料所得があり、たとえ資産がゼロになっても路頭に迷う事は無いでしょう。一方リタイア後の生活は、資産を取り崩すか、資産から得られるキャッシュフローで過ごす事になります。
サラリーマンとして安定的な収入を得られている今でも、株式市場の暴落で資産が減少した時は、気分が落ち込みがちになります。これがリタイア後の生活で起きた場合、果たして正常な気持ちを保つことが出来るのか…正直吹っ切れる事が出来るのか、不安に思えます。
今から15年も前の話になりますが、リーマンショックが起きる直前の2007年頃の資産額は、1,200万円位でした。この頃は資産の90%以上を国内個別株に投入していたため、リーマンショックで資産額が20%以上減少したと思います。
幾つかの銘柄を損切りし、数百万円の損失を出しながらも何とか1,000万円を維持する事はできたのですが、日々減少する資産額を見て、気持ちが沈んでいたのを思い出します。また丁度この頃結婚したばかりであり、妻には投資の損失額は、とても言えませんでした。
今は国内個別株だけでなく、海外株式や債券、商品(原油、貴金属)に投資していますので、株式市場の暴落が有っても、資産が大幅に減少する事は無くなりました。ただそれでも数%の資産は減少する事があります。
リーマンショック時は、殆ど現金を持っていませんでしたので、暴落した株式を購入する余裕がありませんでした。結果論になりますが、この時資産の何割か現金で持っていたら、優良株を安値で購入して、もう少し資産を増やせたのではないか、と思います。この時の教訓を踏まえ、今は現預金を何割か確保するようにしています。
株式以外のETFも投資先の選択肢として考える
『分散投資は、投資が分かっていない人がやるもの』と言われることがありますが、知識を十分に持っていない個人投資家がリスクを下げるのであれば、分散投資も1つの手法と思います。
数年前までは、日本円、外貨(ドル、ユーロ)、株式や債券に投資をしてきましたが、2年前から商品への投資を始めた事で、大分リスク分散出来ていると感じます。株式市場の暴落が起きたとしても、原油や金などの商品が上昇する事で、大幅な資産減少は無くなりました。
最近、FIREを目指す人々が、米国株式のETF(VOOやVTI)に集中投資をする事が流行りの様ですが、株式市場が暴落した場合、資産は大幅に減少します。
長期で見たら経済拡大が続くアメリカの株式市場は上昇し続けているので、米国株のETFに集中投資しても良いと思いますが、一時的な資産の減少を嫌うのであれば、債券(AGG, HDV)や不動産(IYR)、原油や金などのETFも購入するのもアリかと思います。