この数年、『老後2,000万円問題』、『45歳定年制』など将来に不安を与えるようなニュースが多いと感じます。これらのニュースを聞く度に、「今のうちにもっとお金を貯めなければ…。」と考える人が増えると思います。
実際、コロナ禍で政府から支給された給付金の使用先は、「預貯金」が多くを占め、安部前首相が行った全国民を対象とした10万円給付では、国民の預貯金残高が増えていました。政府としては景気回復を考えて、給付金は消費に回して欲しかったのでしょうが、国民は将来に不安を抱えているので、使わずにため込んでしまったのでしょう。
家庭/会社の変化で気付いたこと
コロナの影響が大きいですが、最近は積極的に出かける事が少なくなりました。昔であれば、週末はドライブで何処かへ行っていたのですが、最近は近場で済ませる事が多くなりました。近場とはいっても、「ショッピングモール」、「スーパー」、「ドラッグストア」くらいしか行っておらず、毎週末同じような行動を取っています。
我家では、まだ小学生の子供が居るので、家にいる時は子供と一緒に遊ぶ事が多いです。妻と二人暮らしならば、時間の使い方も変わってくるのでしょうが、子供と遊ぶことが暇つぶしの1つになっていると思います。
「人生は最大の暇つぶし」と言う人もいますが、自宅や近場で子供と遊ぶのであれば、お金は殆ど使いません。先日久々にドライブして、子供と釣りに行ったのですが、エサ代とガソリン代で1,000円しか使いませんでした。
コロナ前であれば、2~3ヵ月に1度一泊二日の小旅行に行っていました。小旅行とはいえ、1回の旅行で5万円は使っていました。しかし規制緩和後も自粛生活が慣れてしまい、この2年間は県を超えた旅行に行く事が無くなりました。
我家と同じように自粛生活慣れた人が増えれば、お金を使う人が減って、景気は悪くなるでしょう。またオミクロン株の件もあり、以前は海外旅行に行っていた人も今は自粛しているケースが多いと思います。
実際、県を越えた移動の規制が緩和された今でも会社では、国内出張も自粛するような雰囲気になっています。最近ではWeb会議が当たり前になっていますので、わざわざ出張で他の事業所へ行って、打合せする機会は無くなりました。
私の会社では、大都市に営業部隊がいますが、顧客訪問は直接しているようです。ただ地方の工場には、以前は工場見学や監査で外部から人が来ていたのですが、今では工場見学は殆ど無くなり、監査もオンラインによる書類審査が多くなっています。
家庭、会社での変化を見る限り、旅行や運輸業界は、厳しい状況が続くのではないか、と思います。運輸業界は、テレワーク化が進むことにより物品を家に届ける機会が増えるのでまだマシでしょうが、旅行業界は大打撃を受けているでしょう。
勤めている会社による格差の発生
私の会社は製造業ですが、最近の業績は良好の様です。コロナショック直後は、売上及び営業利益共に大幅にダウンしたのですが、その後は順調に回復しています。
同業他社の製造業の業績を見る限り、取扱う製品によって回復度が異なりますが、何れも概ね良好な業績を上げている様で、財務体質が改善されている企業が多かったです。ただこれは、同業他社の業績であり、上記に記載した他の業界(特に旅行業)は厳しい状況が続いているのでしょう。
業績の良い会社に勤めている人は給料アップ(収入増)が見込めるのでしょうが、将来の漠然とした不安から収入増でも支出が増えないという事は、預貯金は増加するのでしょう。今はテレワークが増えているので、増やした預貯金を元手に自宅で株取引などの投資を始める人が増えているのかもしれません。
預貯金を元手に、更に投資で資産を増やせる事が出来れば、コロナという変化は、勤めている会社の業績によって、社会格差が生まれてしまう様な気がします。