かなり前のニュースになりますが、ある有名企業の社長が『45歳定年制』について言及して、ネットで騒がれた事がありました。数年前にはトヨタ自動車の社長が「正社員の雇用維持は、今後困難になる」と言っていましたが、これらの発言をみるとサラリーマンにとって生きにくい時代になっていると感じます。
雇用される側にとっては、若い時は安い給料で働かせられ、やっと給料が上がってきたな…と思ったら首を切られるので、正直納得いかないと思います。一方で経営層としては、給料に見合った仕事が出来ていない中高年社員は会社にとってお荷物ですので、内心「45歳定年制」は、推し進めたい制度なのでしょう。
役員も自分の立場でしか考えない
私の役職は、世間で言うと「課長職」になります。通常役員の方々と話をする機会は有りませんが、以前部署長として業務報告していた時に何人かの役員と話す機会があり、彼らの考え方について聞く事が出来ました。
過去に会社の事業構造改革をするプロジェクト参画したことがあり、プロジェクト報告で『構造改革で発生した余剰人員について、どのように考えるのか』が議論されました。
役員の方々の意見を聞く限り、結局自分の立場（今ついている役職）でしか判断しないという事が分かります。すなわち、「具体的にどのようにしたらリストラせずに済むのか、どのように雇用を維持していくのか」というのは、社長と人事部の一部位しか気にしていない事が分かります。
売上、営業利益に責任を持つ各営業部のトップは、人事に関する責任は持ちませんし、逆に余剰人員を抱える事で利益が落ちるのであれば、リストラは当然、という考えを持っています。
また人事部でも大多数は、会社における年齢構成や雇用計画は考えていますが、個々人の将来の事など、気にしていないと思われます。一方で、現場に近い係長や課長クラスの方の方が、部下を直接見ているので、家族構成やキャリアなどを考えた人事異動を考えなければならず、ストレスが大きいと思います。
結局、役員とはいえ、他人の事は気にしておらず、自分の将来は自分で責任を持たないといけない事が分かります。また役員たちの発言から、一般従業員でも何時でも首になる可能性があるな、とも思いました。全役員がそのような考え方ではないと思いますが、人は自分の事は考えていても、他人のことまで深くは考えられないでしょう。
中高年男性が出来る仕事とは
私は今年で46歳なので、45歳定年制であれば、既に定年対象になっていることになります。45歳で今の会社を退職して、再就職先を探すのは大変と思います。正直転職して、今と同じ給料を維持できるとは考えていません。
良くて8割、恐らく5割カットが当然でしょう。また正社員として再就職できるか分からず、パートタイムやアルバイトも難しいかもしれません。日本の雇用は、流動化が進んだと言われていますが、多くの企業で未だ終身雇用制度を適用しており、中高年で再就職するのは、厳しい状況と言えます。
その対策になるか分かりませんが、「簿記2級」や「フォークリフト」の資格を今年は取得しました。元々事務職の就職倍率は高く、何らかの技能が無いと再就職は厳しいと考え、簿記2級の資格を取得しています。
一方で、中高年でも現場系の仕事はそれなりにある様に思えます。「電気工事士」の様に、資格と経験が求められる仕事に今から就くのは厳しいですが、倉庫内作業に活用できるフォークリフトの資格はそれなりにつぶしが効くのではないか、とも考えています。
長年技術者としてデスクワークをしてきましたが、今リストラされたら、デスクワークに拘らずどのような仕事でもを探さないと、再就職先の確保は難しいのではないか、と考えています。
