景気回復を反映しているのでしょうが、アメリカの株価は上昇し続けています。コロナの新規患者も減少傾向にあり、人の往来も増えてこれから景気が良くなっていくのでしょう。
ただ一部の国では未だコロナは収まらず、患者が増えている状況です。もしかすると、患者の増減はこの2～3年位は続くのかもしれません。
原油価格が下がらない理由
私の会社では海外から原料を購入して加工し、付加価値をつけた製品を海外へ輸出しています。様々な原料の価格推移を見ていますが、最近はどの原料も価格が上昇している様です。
原油や天然ガス、石炭などは地球温暖化で叩かれていますが、価格上昇が止まらず、一部の製品では下流製品への価格転換が起きています。
原油に関しては、航空業界が不振の為、需要が減った事による影響で産油量が減り（原油の減産）、価格が上昇していると考えています。航空業界は未だ不振ですが、景気回復している業種も一部あります。
「原油＝ガソリンなどの燃料」 と思い浮かべる方が多いと思いますが、原油は様々な油の混合物であり、きれいに精製された原油は多くの業種で使われています。例えば原油に含まれる高沸物（固体に近い成分）は、製鉄所の燃料に使われたり、アスファルトの原料に使われたりしています。
ガソリン車が売れない、飛行機が飛ばない とう事で燃料の需要は減っていますが、景気回復で住宅需要が増えれば、鉄鋼や建築メーカーで製品を作らなければならず、原油由来の原料が必要になります。
景気が良い実感はないのに、ガソリン価格が下がらないのは、上記の様なアンバランスが起きているのかもしれません。
インフレに向かっている？
会社によっては、燃料を原油だけに頼っている所もあると思いますが、リスク回避の為、石炭や天然ガスに置き換えることもしています。
電力会社などは、原油由来のLPG（液化石油ガス）からLNG（液化天然ガス）に切り替えている所もあるでしょう。恐らく購入価格を見ながら、燃料の種類を変えていると思います。
一方、燃料関係の価格だけでなく、食料や二次製品の価格も上昇しています。景気回復の影響もあるでしょうが、世界各国の金融緩和が影響していると考えられます。
先日、アメリカのインフレリスクについてのニュースが流れており、金融緩和を続けることによる悪影響が出ていることが記事に書かれていました。
このまま金融緩和を続けていれば、国の借金は増え、貨幣の価値が無くなっていくでしょう。各国の中央銀行や政府の対応を見ていると、目先の景気回復を最優先して、国の借金が増える事は気にしていない様に見受けられます。
借金は、何時かは返済しなければならないのですが、国に関しては「お金をドンドン刷って、貨幣の価値を無くし、インフレ（最悪ハイパーインフレ）にしてしまえば、最終的に借金をチャラにできる。」という方法があります。
ハイパーインフレには賛否両論ありますが、現在の政府の対応を見ていると、なりふり構わず、後の事を考えずにお金を刷っているように感じます。もしかすると、物価上昇が止まらない状況に陥るのかもしれません。
（アメリカの）株価上昇は止まらず、「何時暴落するのか？」と考えていますが、ETFなど少しずつでも定期購入して、現金からのシフトを進める方が良いのかもしれません。
