前回、日商簿記2級のネット試験を受けた時の状況を報告させて頂きました。今回はネット試験で実際に出題された問題について紹介したいと思います。
前回にも少し記載しましたが、ネット試験は統一試験に比べて難易度が低いと感じました。またひねった問題も無かったと思います。ただネット試験は、受験者各個人で試験内容が異なりますので、当たり外れはあるかもしれません。
統一試験で財務諸表(損益計算書、貸借対照表)を作成する問題があった場合、決算前整理事項の最初の方に貸倒引当金を計算する文章があるのにも関わらず、後半で売掛金や受取手形を回収する文章が有り、計算するのに営業債権を減らす事が分かって、再度貸倒引当金を計算し直すケースがあります。
過去問や類似問題を解いた時、この様なひっかけ問題が何度もありましたので、問題を解く前に決算前整理事項の文章を全て読むようにしていましたが、ネット試験ではこのような事は無かったです。
ネット試験のネックと言えば、「時間が足りない」事でしょう。統一試験が120分あるのに対し、ネット試験は90分しかありませんので、焦ると思います。
今回ネット試験は初めてでしたが、比較的スムーズに解けたと思います。統一試験では、(手書きの字が汚い為)解答用紙の文字を何度も書き直して時間をロスしていたことが無かったのが、良かったのかもしれません。
問題と点数
以下が受験した時の問題と点数の内訳です。
第1問 仕訳 12点
第2問 株主資本等変動計算書 20点
第3問 損益計算書 14点
第4問 仕訳、製造間接費部門別計算 24点
第5問 工程別総合原価計算 12点
合計 82点
統一試験であれば、第4問と第5問がそれぞれ20点の配点(合計40点)なのですが、第4問のボリュームが多く、24点と16点の配点だったようです。
統一試験の時と同様でしたが、点数を取るべき第1問の仕訳が12点しか取れていませんでした。この問題が全て合っていれば、90点取れていたので、まだ課題は多いと感じました。
第2問 株主資本等変動計算書
問題集や過去問から、株主資本等変動計算書の問題は余り出題されないと思っていましたが、いきなり出題されたので少し焦りました。ただ事前に演習問題で似た問題を解いていましたので、解き始めると意外にすんなり解くことが出来ました。
株主資本等変動計算書は、利益準備金や資本金の割当金額など、会社法で決められている基準を知っていれば、あとは表の上の計算だけですので、簡単に解けると思います。
ただ統一試験時に同じ問題が出た場合に解けたかというと、恐らく難しかったと思います。この問題も統一試験後の過去問や演習問題を何度も解いた事で、出来るようになったと思います。
第3問 損益計算書
この問題は7割の14点しか取れませんでしたが、決算前整理事項には基本的な内容しかなく、あまりひねった内容は無かったと思います。
税効果会計の問題もありましたが、2級で勉強する範囲をきちんと理解しておけば、難なく解ける問題だったと思います。ただ私自身、何処を間違ったのかちょっと思い当たらず…。
第4,5問 工業簿記
工業簿記も特に難しい内容は無かったと思います。予想通り(?)でしたが、「材料副費」に関する仕訳は出ました。製造間接費部門別計算書も一時配賦のみのシンプルな内容で、問題を解く際に悩むことは無かったと思います。
満点40点に対し、36点でしたので恐らく1,2問は落としている事になります。ネット試験は問題を持ち帰る事が出来ませんので、他の設問と同様にどこが間違っていたのか分かりません。
ネット試験の内容は統一試験より易しく、紙の解答の書き直し作業が無い事から、ストレスのかからないテストだったと私は感じました。ただ、パソコン操作に慣れていない人にとっては、少し手間取るかもしれません。