会社で数多くの業務をこなしてスキルを上げるのは、最も手っ取り早い方法と思います。一般的に、OJT(On the Job Training)と呼ばれる手法です。
若手社員の育成には、OJTが欠かせませんし、実際仕事をドンドン進める若手社員は成長が早いです。成長が早い若手社員の中には、やる気が有り過ぎて今居る会社では物足りず、転職してしまう人もいますが…。
中高年に必要なスキル
会社に入って10年位経ちますと、ずっと同じ部署にいる人はその業務に節通しますし、殆どの業務は楽にこなせるようになります。
私の会社では、総合職の場合、数年ごとに部署を異動して別のスキルを上げようとする仕組みがあります。総合職は、将来管理職になり、また優秀な人は経営を担う人になりますので、色々な部署や業務を経験して、スキルを向上させるのは必要な事と思います。
一方で管理職もある程度の年齢になると、自分が出世する、しないが明確になります。私も45歳になりましたが、何となく自分のこの先が見えてきました。
自分が望めば、もう1段階上の役職には上がれそうですが、望まなければ今と同じレベルの役職になりそうです。ちなみに今の役職は、世間でいうと課長と係長の間位です。
この先、課長、部長と上がるのであれば、沢山の部下を持つ役職につかなければなりません。ただ多くの部下を抱える役職は、ストレスが多く、私自身向いていないと思います。よって、この先の昇進は望んでいないと上司には伝えています。
出世は望んでいないのですが、仕事には前向きに取り組んでいるつもりです(他人から見たらどう映るか分かりませんが)。責任ない職務で、仕事をしない社員ならば、会社のお荷物になってしまいますので、何とか踏ん張っている感じです。
今は部下無管理職でマネジメント業務が無いので、他の社員には無いスキルを付ける必要性を感じています。管理職という事は、一般職の人より給料を多くもらっている事になりますので、何らかの+αの能力が必要なのかもしれません。
自分が伸ばしたいスキル
私は技術職ですが、社内を見るとエンジニアとして私より優秀な方は、沢山います。社内には、設計などを専門にする部署があり、社外に通用(指導できる)する人もいますので、今からエンジニアとして差別化を図るのは難しいでしょう。
多くの技術者が持っていないスキルとは…と考えた所、過去に経験した製造現場での「工場会計に関する知識」を伸ばしたら良いのではないかと考えました。
「工場会計に関する知識」とは、製造業で言う原価計算や事業の損益評価など、工業簿記に関する知識です。昔、製造現場の管理職として、毎月の製品の出来高や製造原価を管理していました。
その時は「工業簿記」の存在を知らずに仕事をしていたのですが、今簿記2級の勉強をすると、その時の業務の目的や考え方など、よく理解出来るようになりました。
技術者は、技術に関する知識は持っていますが、会計に関する知識は意外に無い人が多いです。ただ単に、「コストダウン」を言葉にする人はいますが、自分の部署の製品の製造原価すら知らない人もいます(事実昔、私もそうでした)。
今は様々な事業評価をし、新規事業につなげる企画の仕事をしています。今の業務では、事業の収益、費用、純利益を細かく解析する事があり、製造現場での経験や簿記の知識が役に立っています。
検討結果を他部署の人に説明する機会がありますが、意外にキチンと会計の勉強をした技術者がいない事に気づかされます。
まだ簿記の勉強を始めて1年位しか経っていませんが、今の勉強を2年、3年と続けて行く事で、5年後には強みとなるスキルになっていると思います。