私の投資スタイルは長期投資の Buy & Hold がメインですので、取引頻度が少なく、資産変動も大きくありません。
一見景気は回復しているように見えますが、米国をはじめとする世界的な金融緩和とIT企業の業績好調による影響で、株価が高めで推移していると思います。
今は投資の見通しが立てにくいので、幾つかの米国ETFを定期定額購入しています。いわゆる「ドルコスト平均法」による投資ですが、これで市場の大きな変動には、ある程度リスク回避できていると思います。
話は変わりますが、最近原油ETFを追加購入しました。金額は少ないのですが、以前の価格暴落時と合わせて約1.0百万円投資しています。今回原油ETFを購入した理由は、自社での業績見通しによるものです。
・8月の売上及び営業利益は引き続き厳しいが、回復傾向が見られる。
・一部の原油関連製品に価格上昇の傾向が見られる。
・上記状況を踏まえて、年度の業績目標を上方修正する予定。
この状況を見て、自社株を購入するとインサイダー取引になるので、流石にしませんが、会社が業績目標を上方修正するという事は、これから収益が上がる確度が高いと考えているからでしょう。
先月まで景気回復が見られたのは中国位で、限定的なものでしたが、それ以外の地域も少しずつですが回復しているようです
先日イギリスの石油大手のBP社が石油の使用量は、2019年がピークで、これからは再生可能エネルギーの利用で需要が落ち込んでいくというニュースが流れていました。
確かに地球温暖化による災害(特に巨大台風発生)を見ると、石油や石炭の使用量を抑えて、太陽光や風力などにシフトせざる得ないと思います。
またコロナの影響により人の移動が無くなり、石油を多く使う航空業界も事業構造を見直す時代が来ているのかもしれません。
これらの状況を見ると、長期では原油価格が低下する可能性が高いと言えますが、エネルギー転換には時間がかかりますし、原油でないと対応できない製品もあります。
ガソリン価格が1リットル200円近くまで上昇するような高騰は考えられませんが、コロナが治まり人の移動が復調していけば、原油価格もある程度までは戻ってくると思います。
原油価格上昇による影響と日本の将来
原油価格が上昇した時の影響について、考えたいと思います。景気回復と原油価格の上昇がスムーズにいけば、緩やかなインフレが起こります。
「景気回復 → 雇用の増加/賃金上昇 → 物価の上昇」の良い循環が起これば、今行っている金融対策が上手くいっていると言えます。
一方で景気回復の遅れや雇用が悪化したまま原油価格が上昇すると、景気が悪いのに物価が上昇する「スタグフレーション」が起きます。
丁度コロナの影響で各国が大規模な財政出動をしている為、お札の流通量が増大しており、結果現金の価値が低下し、スタグフレーションが起きる可能性があります。
景気回復、雇用改善が無いまま物価上昇が起きますと、市民の購買意欲は下がりますので、更に景気が悪化します。
想定される事として、中国を始め一部の国の景気が回復して、原油価格が上昇した場合、景気回復していない国とその国の企業は、大きなダメージを受ける事になると思います。
日本は、他の国が景気回復して自国の企業業績が改善されても、従業員の賃金アップにはつながらない状態が続いています。
企業は景気悪化を恐れて内部留保を増やしますし、日本の従業員(特に正社員)の賃金は近隣のアジア諸国と比べて高いので、従業員の賃金アップは企業の競争力低下を招くと考えているのでしょう。
恐らく今回も日本以外の国の景気が回復しても、日本企業の従業員の賃金は上がらないと思いますし、今回のコロナの影響を考えますと、企業はもっと消極的になり内部留保を増やすでしょう。
内部留保が多い事で倒産するリスクは低くなりますが、市場の新陳代謝(競争力の高い会社が生き残る)が起こりにくく、収益率の低い企業が生き残りますので、長期で見ますと日本の株価が上昇するとは思えない所です。
もちろん、個別にみていくと良い企業は多くありますが…。