一生働くかは別として、多くの人が何時かはリタイアすると考えられ、私の様に定年前にリタイアを計画されている方もいらっしゃいます。
アーリーリタイアするには、ある程度の金融資産を形成する必要があります。ただ必要とされる資産の大きさは、その人によって異なると思います。
例えば自分の家だけでなく、田や畑を持っていて、自給自足に近い生活を目指す人にとっては、金融資産は余り準備する必要は無いでしょう。
インフレーションからスタグフレーションへの恐怖
私の場合、若い時から投資を始めて、40歳半ばの現在で1億円のリタイアできそうな金融資産を作ることが出来ました。
世間一般から見ると、今の金融資産があれば、全く不安は無いと思うのでしょう。しかし実際悩みは尽きる事は無く、別の不安が発生します。
現在の不安材料は、過度なインフレです。私の金融資産は、現金(特に日本円)と日本の社債比率が高く、この2つでポートフォリオの60%を占めています。
「インフレ=お金の価値が低下する」という事であり、現金や社債に偏った資産では、インフレに対する耐性が低いといえます。
リスクヘッジとして、インフレに強い株式や商品にも投資しています。しかし、商品はインカムゲインが無い事と貴金属などは現在高値で推移しているので、思い切った買い入れが出来ない状況です。
特に今は景気が悪い上に世界各国が財政支出を増やして、そのお金が株式や一部の商品に流れ込んでいるので、中々投資判断が難しいと思います。
結局財政支出を増やしても、失業者が増え、家を失う人が増えるのであれば、一般市民にはお金は回っていない事になります。しかもお金を大量に刷ることで、お金の価値が極端に低下している様に感じます。
可能性は低いと信じていますが、産油国が原油を減産している影響で、原油価格が上昇し、物価上昇が進めば、インフレより酷いスタグフレーション(景気悪化にも関わらず、物価が上昇する)になるかもしれません。
日本の富裕層は、デフレを望んでいる?
日本の富裕層は、60歳以上の高齢者が多いのが特徴で、日本人の性格なのか、富裕層の金融資産は、現金比率が高くなっています。
高齢者の方々は、バリバリ働く事は出来ませんので、生活に必要な現金(日本円)比率が高くなるのは良く分かります。
一方、インフレになると物価が上昇しますので、現金比率の高い金融資産では、資産価値が目減りするでしょう。年金はインフレを考慮した支給になっているようですが、急激な変化には対応できないでしょう。
良く街頭インタビューで、スーパーでモノの値段が上がって困る事を話される人を見かけます。高齢者の年金額は限られていますので、物価上昇に敏感になるのは当然でしょう。
実際に高齢者の方の意見を聞いた訳ではありませんが、現金を沢山持っている日本の富裕層にとっては、インフレよりデフレの方が望ましいのかもしれません。
これからの投資戦略
現金はインフレ影響、株式や貴金属は高い…という状況で、今は少しずつ原油のETFと米国不動産のETFを購入しています。
自分自身では、原油ETFや米国不動産ETFが最も良い投資先とは思えないのですが、消去法で選んでいます。
日本の不動産を考え、J-リートを購入しても良いのですが、日本は将来人口減少で不動産が余る時代になると考えていますので、今の所購入は考えていません。
例えば日本政府が大きな政策転換をして、移民政策を強力に推し進めるのであれば、人口減少の問題は緩和され、日本の不動産も上昇する可能性があります。
日本は世界の中でトップクラスで治安が良く、インフラ整備されています。一方、日本人は海外からの移民を嫌うのと、「日本語」のハードルの高さを考えますと、移民政策は容易に進まないと思います。
現状、投資戦略が組みにくい状況が続いており、変化を注視しながら投資先の調査とタイミングを検討している所です。