6月に入り会社の決算も出そろって、各企業から株主総会の案内が来るようになりました。やはり今年は特別で、コロナウィルスの影響で株主総会にはなるべく出席を控える様な案内が来ています。
私の会社も同様であり、株主総会はしても会場への入場者は人数制限をするようです。ちなみに自分の会社の株主総会には、株主として出席したことはありません。
持ち株会制度とは
会社で良くやられている資産形成の1つに、「持ち株会制度」があります。従業員が会社の株を購入する事で、会社は安定株主を確保でき、従業員は所有する株数に応じて配当を得ることが出来ます。
また従業員は株の所持を通じて、会社の経営に関与する事が出来ます。 「経営に関わる」というイメージが付きにくいでしょうが、単元株数を持っていたら株主総会に出席できます。
私の会社でも持ち株会制度を推奨しており、給与天引きで最低1口1,000円から積立を始める事が出来ます。また株の購入に当たっては、会社から5%の補助が出る(1,000円の支出で1,050円分購入できる)ので、実質何もしなくても5%の利回りが得ることが出来ます。
私もこの制度を利用して、少ないですが毎月2口(2,000円)ずつ積み立てており、今では20万円以上の資産になりました。
資産運用でリスク分散になるのか
持ち株会制度は、従業員しか利用できない制度であり、しかも会社から補助金が出るので、お得な制度と思います。
しかし今の若い従業員は、意外に持ち株会制度に入っていない様です。近くの同僚に聞いても、「それ何ですか?」と言われる事もあります。
ではこの制度を利用して、毎月給料からかなりの金額の自社株を購入したら良いと思うかもしれません。補助金もあるので、一見経済合理性があるように見えます。
ただ会社から給料をもらいつつ、自社株を購入するという事は、リスク分散にはならないと思います。例えば会社が倒産した場合、給料と資産である株を同時に失うことになり、ダブルのショックになります。
昔アメリカの大企業の従業員が「自分の会社は絶対潰れないだろう」という事で、給料と退職金を自社株買いに全て回して、会社の倒産と共に自分も破産した事例が紹介されていました。
給料と資産を同時に失う可能性は低いと考えられますが、移り変わりが早い現代社会では、数年先の会社の業績もどうなるか分からないものです。
持ち株会は会社への忠誠心を示す?
以前年配の方々と飲む機会があった時、「俺は、自社の株を○○円で購入したが、価格が下落して塩漬けされたままだ~」と話された方がいました。
今のバブル社員より年配の方々は、良い意味で愛社精神がある方が多く、持株会制度を通して結構自社株を持っているようです。
私も買っている事を聞かれた時は、「もちろん買っています」と答えるようにしています。流石に毎月2,000円とは言えませんが…。
年配社員の方の中には、持っていない人に「なんで持っていないの?」という事もあり、会社の中で話を穏便に済ますのであれば、少しの購入はしておいた方が良いかもしれません。
持ち株会制度は、会社に対する忠誠心とは言いませんが、愛社精神を示す位にはなると思います。もちろん、本当に愛社精神があるかは別としてですが…。