全世界的な不況を受けて、株価が低迷しています。また経済活動が少なくなったのと各国の減産調整が不備になった影響で、原油価格も暴落しています。
原油価格(先物)は、一時的にマイナス価格になり、想定外の事態になっています。一方で金(ゴールド)の価格は、過去最高の価格に近付いています。
このまま金の価格が上昇するか、または下落するかは、経済活動の復旧次第と思います。今回のコロナショックで、各国が財政支出を行い、大量の紙幣を市場に供給しており、お金の価値が増々低下するでしょう。
一方で産出される金は限られているので、相対的に紙幣に対する金の価格は上昇します。また経済活動が縮小して行先の無くなったお金(紙幣)が一時的に金に行くと考えられ、経済活動が復活しなければ、高値維持は続くと考えられます。
インフレ対策に有効な資産か
原油の下がり方は過去に無いですが、金も原油も紙幣と違い限りある資源なので、インフレ(お金の価値が下がる)には強い資産と言えます。
日本では長年デフレが続いて物価が下がっているように見えますが、経済のグローバル化と効率化により、昔より安く物を作れるようになったのが大きいと思います。
賃金の安い国で物を作れば、安価な品物が日本で入手できます。ただ今後は全世界的に賃金は上がっていき、いずれは同一賃金になる(かなり先でしょうが)と思いますし、紙幣の流通量が増えているので、インフレになっていくと考えています。
事実日本では値段は変わっていないのに、中身の量が減っている「隠れ値上げ(シュリンクフレーション)」が広がっています。
インフレに強い資産としては土地や建物があり、借金をして家を購入する手段は一見有効と思えます。ただ人口減少で家が余っている日本では、有効な資産とは言えないと思います。
一方、原油や金は全世界的に取引されており、流動性の高さからもインフレ対策として有効な資産の1つと思います。
インカムゲインが狙えない
商品取引は、基本的に価格上昇によるキャピタルゲインを狙う資産と言えます。金は現物で持っていると何ともありがたい資産ですが、そのまま置いてもキャッシュを生み出す事はありません。
リタイアを目指す人にとって、資産から得られるキャッシュフローは重要であり、特に安定した収入が得られるインカムゲインは必要と思います。
もちろんリタイア後に株取引を専業として、デイトレーダーの様にキャピタルゲインを稼いで生活費を賄う手段もあると思います。
ただ専業で稼ぐには、かなりの才能や勉強をしないと継続的に収入を得ることは難しいでしょう。
そのように考えると原油や金のような商品は、インフレのリスクヘッジとして、資産の1部として持っておくのは良いですが、主力の資産にするのは向いていないと私は考えています。